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※各医薬品の添付文書、インタビューフォーム等を基に記事作成を行っています。
薬剤師国家試験に出題されている、医薬品、薬理成分の構造式を確認していきます。
106-10-1
出典:薬剤師国家試験 106回問10
この構造式はジゴキシン(Digoxin)と考えらえる。
ジギタリス類由来の強心配糖体。強心配糖体と言えばステロイド骨格、ラクトン環、糖を含んだ構成となっており、C,D環の立体配位がcis配座になっていることが特徴。
106-10-2
出典:薬剤師国家試験 106回問10
この構造式はグリチルリチン (glycyrrhizin)と考えらえる。
甘草の根に含まれるグリチルリチンはトリテルペン配糖体である。サポニンの中にもアグリコンにトリテルペン構造を持つ種類がある。アグリコンがトリテルペン(C30)で構成されていることからグリチルリチンと推測。
また、アルドステロン様作用を有するため偽アルドステロン症による低カリウム血症などに注意が必要。
106-10-3
出典:薬剤師国家試験 106回問10
この構造式はゲニポシド(Geniposide)と考えらえる。
山梔子に含まれるイリドイド配糖体。
106-10-4
出典:薬剤師国家試験 106回問10
この構造式はバイカリン (Baicalin)と考えらえる。
黄芩に含まれるフラボノイド配糖体。アグリコンがフラボン骨格を持つ。
バイカリンの名は薬用植物の黄金花(Scutellaria baicalensis Georgi)に由来しているのであろう。
106-10-5
出典:薬剤師国家試験 106回問10
この構造式はセンノシドBと考えらえる。
大黄に含まれビスアンスロン骨格を有する。
レインアンスロンに分解されて瀉下作用を示す。
106-40-1
出典:薬剤師国家試験 106回問40
この構造式はピロカルピン (Pilocarpine)と考えらえる。
ヤボランジ葉由来のコリン作動性アルカロイドであり、イミダゾール骨格を有する。
主な医薬品: サンピロ点眼液、サラジェン
106-93-1
出典:薬剤師国家試験 106回問93
この構造式はヒドロコルチゾンコハク酸エステル(Hydrocortisone Succinate)と考えらえる。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルステロイドを有する。天然品の糖質コルチコイドである為、A環の1.2位に二重結合がない。抗炎症作用は合成糖質コルチコイドよりも弱い。
主な医薬品: サクシゾン
106-101-1
出典:薬剤師国家試験 106回問101
この構造式はメチルコバラミン(Mecobalamin)と考えらえる。
メチルコバラミンはビタミンB12。中心金属はコバルトである。
コバラミン、コバルトどちらも「コバ」と付くため、構造式内にコバルトを見つければ判断しやすい。Coのメチル基がシアニドに置換していればシアノコバラミンである。
主な医薬品: メチコバール
106-105-1
出典:薬剤師国家試験 106回問105
この構造式はイマチニブ(Imatinib)と考えらえる。
イマチニブはチロシンキナーゼ活性阻害剤。
主な医薬品: グリベック
106-105-2
出典:薬剤師国家試験 106回問105
この構造式はカルバゼパムと考えらえる。
カルバゼパムはベンゾジアゼピン誘導体。
106-105-3
出典:薬剤師国家試験 106回問105
この構造式はカンデサルタン シレキセチル(Candesartan Cilexetil)と考えらえる。
カンデサルタンはプロドラッグである。
このような構造があれば大体ARBだ。
主な医薬品: ブロプレス
106-105-4
出典:薬剤師国家試験 106回問105
この構造式はサキナビル(saquinavir)と考えらえる。
サキナビルはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)プロテアーゼ阻害剤である。
主な医薬品: インビラーゼ
106-105-5
出典:薬剤師国家試験 106回問105
この構造式はオキサメタシン(oxametacin)と考えらえる。
オキサメタシンはインドール酪酸系のNSAIDsである。
106-109-1
出典:薬剤師国家試験 106回問109
この構造式はタクロリムス(Tacrolimus)と考えらえる。
タクロリムスは放線菌の代謝産物の23員環マクロライド系化合物である。
主な医薬品: グラセプター、プログラフ、プロトピック
106-125-1
出典:薬剤師国家試験 106回問125
この構造式はメナテトレノン(Menatetrenone)と考えらえる。
メナテトレノンはビタミンK2である。ナフトキノン骨格を持つ。
ナフトキノン・メナテトレノン・・・似てる名前のような気がしないでもない・・・。
主な医薬品: グラケー
106-172-1
出典:薬剤師国家試験 106回問172
この構造式はケトコナゾール(ketoconazole)と考えらえる。
真菌の細胞膜のエルゴステロールの生合成阻害を阻害する抗真菌薬。
名の通り構造中にアゾールを含む。
主な医薬品: ニゾラール
106-172-2
出典:薬剤師国家試験 106回問172
この構造式はシタラビン(Cytarabine)と考えらえる。
代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤である。
慣用名はシトシンアラビノシド(Cytosine arabinoside)であり、このことから分かるようにステムは-(ar)abine:アラビノフラノシル誘導体でシトシンを構造中に含む。 主な医薬品: キロサイド
106-172-3
出典:薬剤師国家試験 106回問172
この構造式はトブラマイシン(Tobramycin)と考えらえる。
アミノグリコシド系抗生物質の一種であり、アミノ糖を含む。
グリコシド結合も注目点。
主な医薬品: トブラシン
106-172-4
出典:薬剤師国家試験 106回問172
この構造式はオキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)と考えらえる。
テトラサイクリン系の抗生物質。構造式内にテトラ(四つの)サイクリン(有機環)がある。
主な医薬品: テラ・コートリル
106-172-5
出典:薬剤師国家試験 106回問172
この構造式はオフロキサシン(Ofloxacin)と考えらえる。
ニューキノロン系の抗生物質。
構造式内にキノロン骨格を持ち、6位にフッ素、7位に窒素置換基を有するのがニューキノロン系の特徴
主な医薬品: タリビッド
106-209-2
出典:薬剤師国家試験 106回問209
この構造式はアシクロビル(Aciclovir)と考えらえる。
アシクロビルはaciclovirからという名前のように非環状の側鎖を持つ抗ウイルス薬である。
構造式から分かるように強制分解による生成物としてグアニンが認められる。 主な医薬品: ゾビラックス
関連記事: アシクロビル、バラシクロビルの用法用量のゴロ
106-209-1
出典:薬剤師国家試験 106回問209
この構造式はバラシクロビル(Valaciclovir)と考えらえる。
バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグである。
バリンとアシクロビルがエステル結合をした構造を取っている。
名前もValineのValとaciclovirからなる為、構造を見分けやすい。
バラシクロビルは肝臓で加水分解されてL-バリンとアシクロビルになる。 主な医薬品: バルトレックス
106-209-3
出典:薬剤師国家試験 106回問209
この構造式はアメナメビル(Amenamevir)と考えらえる。
ヘリカーゼ活性、ATPase活性、プライマーゼ活性を阻害しDNA複製を阻害する抗ヘルペスウイルス薬。
腎機能による薬物動態への影響が小さく、1日1回の投与で有効。
主な医薬品: アメナリーフ
関連記事: アメナメビル(アメナリーフ)のゴロ、覚え方
106-211-1
出典:薬剤師国家試験 106回問211
この構造式はグリメピリド(Glimepiride)と考えらえる。
グリメピリドはスルホニルウレア系経口血糖降下剤である。
構造式中にスルホニルウレア構造を含む。
主な医薬品: アマリール
106-211-2
出典:薬剤師国家試験 106回問211
この構造式はナテグリニド(Nateglinide)と考えらえる。
ナテグリニドは速効型インスリン分泌促進薬である。
フェニルアラニン誘導体である。
主な医薬品: スターシス
106-211-3
出典:薬剤師国家試験 106回問211
この構造式はボグリボース(Voglibose)と考えらえる。
ボグリボースはα-グルコシダーゼ阻害剤である。
グルコースに構造が似ています。
主な医薬品: ベイスン
106-211-4
出典:薬剤師国家試験 106回問211
この構造式はオマリグリプチン(Omarigliptin)と考えらえる。
オマリグリプチンは持続性選択的DPP-4阻害剤である。
主な医薬品: マリゼプ
106-211-5
出典:薬剤師国家試験 106回問211
この構造式はブホルミン塩酸塩(Buformin Hydrochloride)と考えらえる。
ブホルミンはビグアニド系血糖降下剤である。
ビグアニドを構造中に含む。
主な医薬品: ジベトス
106-212-1
出典:薬剤師国家試験 106回問212
この構造式はジヒドロコデインリン酸塩(Dihydrocodeine Phosphate)と考えらえる。
ジヒドロコデインリン酸塩は麻薬性鎮咳薬である。
106-212-2
出典:薬剤師国家試験 106回問212
この構造式はセレコキシブ(Celecoxib)と考えらえる。
セレコキシブはCOX-2選択的阻害剤である。
主な医薬品: セレコックス
106-212-3
出典:薬剤師国家試験 106回問212
この構造式はトラマドール塩酸塩(Tramadol Hydrochloride)と考えらえる。
トラマドールはオピオイド系鎮痛剤である。
主な医薬品: ワントラム
106-212-4
出典:薬剤師国家試験 106回問212
この構造式はインドメタシン(Indometacin)と考えらえる。
インドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬でインドール骨格を有する。
主な医薬品: ワントラム
106-212-5
出典:薬剤師国家試験 106回問212
この構造式はアミトリプチリン塩酸塩(Amitriptyline Hydrochloride)と考えらえる。
アミトリプチリンは三環系抗うつ剤である。
主な医薬品: トリプタノール
106-221-1
出典:薬剤師国家試験 106回問221
この構造式はアザチオプリン(Azathioprine)と考えらえる。
アザチオプリンは核酸合成を阻害する免疫抑制剤
名前の通りチオールとプリン骨格を構造式に含みます。
主な医薬品: アザニン