薬剤師国家試験の勉強法|5年生・実務実習から始める勉強の仕方【2026年版】
5年生・実務実習生から考える、過去問・参考書・勉強時間の使い方
薬剤師国家試験の勉強を始めようと思っても、 「何から始めればいい?」 「過去問はいつから解く?」 「青本は最初から全部読むべき?」 「実務実習中はどこまで勉強すればいい?」 など、迷うことは多いと思います。
私自身、以前から薬剤師国家試験に向けた勉強方法について記事を書いてきました。
その中で現在でも変わらないと考えているのが、 「勉強時間だけを目標にするのではなく、今日何を終わらせるのかを決める」 という考え方です。
この記事では、その考え方を土台にしながら、 2026年現在の薬学生が5年生・実務実習の段階から薬剤師国家試験対策を始めるならどう進めるか を改めて整理します。
薬剤師国家試験の勉強は、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは、
過去問を解く
↓
分からないところを確認する
↓
参考書で補う
↓
もう一度問題を解く
という流れを作ることをおすすめします。
そして、 「今日は3時間勉強した」 だけではなく、 「今日は○問解く」「今日は○分野を終わらせる」 のように、具体的な終了条件を決めます。
1.薬剤師国家試験の勉強はいつから始める?
「薬剤師国家試験の勉強は6年生になってから」 と考える人もいるかもしれません。
もちろん、6年生になってから本格的に受験勉強を始めることはできます。
ただ、5年生の時点から少しずつ準備しておくと、 6年生になったときに勉強を始めやすくなります。
特に5年生には実務実習があります。
実務実習では、大学で学んできた薬理・病態・薬物治療などの知識が、 実際の医療現場と結びつく場面があります。
実務実習を単に「実習をこなす期間」と考えるのではなく、 「大学で学んだ知識を実際の現場と結びつける期間」 と考えてみるのも一つの方法です。
ただし、実務実習中に国家試験対策を詰め込みすぎる必要はありません。
まずは実習をしっかり行い、 その日に経験したことを少し振り返るところから始めてもよいでしょう。
2.最初にやるべきことは「自分の現在地」を知ること
勉強を始めるときに、いきなり参考書を最初から読み始める必要はありません。
私なら、まず過去問を少し解いてみます。
ここで重要なのは、 最初の点数を見て「自分は全然できない」と判断することではありません。
目的は、 「自分が何を知らないのかを確認すること」 です。
- 正解できた
- 正解したけれど自信がない
- 間違えた
- 選択肢の意味が分からない
- そもそも知らない
このように自分の状態を分けて考えると、 次に何を勉強すればよいのかが見えやすくなります。
3.過去問を中心に勉強する
薬剤師国家試験対策では、過去問を避けて通るのは難しいでしょう。
厚生労働省では、過去の薬剤師国家試験の試験問題と正答を公開しています。 第111回についても、必須問題、薬学理論問題、薬学実践問題、正答などが公開されています。
ただし、 「過去問の答えを覚える」ことだけを目的にするのはおすすめしません。
大切なのは、 「なぜその選択肢が正しいのか」 「なぜ他の選択肢が違うのか」 まで確認することです。
まずは自分の力で考えます。
知識不足なのか、勘違いなのか、問題文の読み違いなのかを確認します。
必要な範囲を調べます。
理解できたかを確認します。
4.青本などの参考書は「最初から全部覚える」必要はない
薬剤師国家試験対策では、青本などの大型教材を使う人も多いと思います。
ここで注意したいのが、 「参考書を最初から全部覚えようとしない」 ということです。
分厚い参考書を見ると、 「これを全部覚えなければ……」 と思ってしまうかもしれません。
しかし、最初からすべてを完璧に覚えようとすると、 問題を解く時間がなくなってしまうことがあります。
問題を入口にして、 必要な知識を参考書で補う という使い方もできます。
例えば、
「この薬の作用機序が分からない」 → 参考書で確認
「似た薬との違いも分からない」 → そこまで確認
「もう一度問題を解く」
という形です。
参考書を、 「最初から最後まで読む本」だけではなく、 「分からないことを調べるための地図」 と考えてみるのもよいでしょう。
5.実務実習を薬剤師国家試験につなげる
5年生にとって、実務実習は貴重な学習機会です。
例えば、
- 処方箋を見る
- 薬剤の名前を見る
- 疾患について考える
- 副作用について学ぶ
- 患者への服薬指導を見る
- 薬剤師の業務を経験する
といった経験があります。
そこで、 「今日出てきた薬を少し調べる」 という習慣を作ってみます。
実習で初めて知った薬があれば、
- 何の薬か
- どのような作用を持つか
- どのような疾患に使うか
- 代表的な副作用は何か
などを確認してみます。
実務実習そのものを国家試験対策に置き換えるのではなく、 「実習で得た経験を国家試験の知識につなげる」 と考えるのがおすすめです。
6.勉強する科目の順番はどうする?
「薬剤師国家試験は、この科目から始めるべき」 と一つに決める必要はないと思います。
得意・不得意や大学の授業の進み具合によっても変わるからです。
私自身は以前の記事で、 法規・制度・倫理と実務は比較的後からでもよいのではないか という考えを書きました。
この考え方は現在でも一つの選択肢だと思っています。
ただし、 「法規と実務は絶対に後回しでいい」 という意味ではありません。
得意な科目
得点源として維持する。
苦手な科目
後回しにせず、早めに基礎を作る。
自分の状態に合わせて順番を決めるほうが現実的です。
7.勉強時間より「今日やること」を決める
これは2017年の記事から、現在でも残したい考え方です。
薬剤師国家試験の勉強では、 「今日は何時間勉強したか」だけを目標にすると、 勉強した気になってしまうことがあります。
例えば、
・必須問題を50問解く
・薬理を30問進める
・間違えた問題を20問復習する
・参考書の○ページまで確認する
のように、 「ここまで終われば今日の勉強は一区切り」 という目標を作ります。
もちろん勉強時間も重要です。
ただ、 時間+勉強量 の両方を見るほうが、 自分の進み具合を把握しやすくなります。
8.5年生・実務実習中なら「毎日少し」が現実的
5年生は実習や大学の予定があります。
そのため、毎日長時間勉強しようとして挫折するより、 短時間でも勉強する習慣を作る ことを優先する方法があります。
平日
- 過去問を少し解く
- 実習で出てきた薬を復習する
- 間違えた問題を確認する
休日
- 平日にできなかった復習
- まとまった問題演習
- 苦手分野の整理
毎日同じ量をこなす必要はありません。
実習が忙しい日は少なく、 余裕のある日は多くする。
続けられる勉強量にすること が重要です。
9.6年生になったら「問題を解く量」を増やす
6年生になると、国家試験までの時間を意識する必要があります。
この段階では、 インプットだけで終わらせない ことが大切です。
特に、 「一度間違えた問題」を放置しない ことを意識します。
間違えた問題には、
- 知識がなかった
- 忘れていた
- 勘違いしていた
- 計算を間違えた
- 問題文を読み違えた
- 選択肢で迷った
など、さまざまな原因があります。
「間違えた」という結果だけではなく、 「なぜ間違えたのか」 まで確認しておくと、次の勉強につなげやすくなります。
10.教材を増やしすぎない
国家試験対策をしていると、 「この参考書も良さそう」 「この問題集も必要かも」 と教材が増えていきます。
しかし、教材が増えるほど勉強が楽になるとは限りません。
むしろ、 どの教材も中途半端になる 可能性があります。
基本的には、
- メインとなる参考書
- 問題演習用の教材
- 過去問
- 模試などの確認材料
というように役割を分けて、 まず一つ一つ使い切ることを意識したほうがよいでしょう。
「今持っている教材を十分使えているか?」 を一度確認してみてください。
11.薬剤師国家試験の過去問は「本番を知る教材」として使う
過去問を解くことで、
- 問題の形式
- 問題文の読み方
- 自分の苦手分野
- 知識が不足している部分
などを確認できます。
厚生労働省では、第111回を含む過去の薬剤師国家試験の問題と正答を公開しています。
第111回薬剤師国家試験は2026年2月21日・22日に実施され、 厚生労働省から問題、正誤表、正答が公開されています。
なお、第111回の合格基準は、 全問題で426点以上、必須問題で70%以上かつ各科目30%以上、 さらに禁忌肢問題の選択数が2問以下という基準でした。
12.私がおすすめする勉強の基本形
ここまでをまとめると、私なら次の流れで勉強します。
まず問題に触れます。
「知らなかった」のか「忘れていた」のかを確認します。
必要な範囲を読み直します。
その問題だけで終わらせないようにします。
理解できたか確認します。
忘れていないか確認します。
13.「たくさん勉強する」より「戻ってこられる勉強」を作る
国家試験の勉強は長期戦です。
最初から完璧な計画を作っても、 大学・実習・卒業研究・体調などによって、 予定どおり進まないことがあります。
だから私は、 「予定どおり進まなかったときに、また戻れる勉強方法」 を作ることが大切だと思います。
例えば、 「毎日必ず100問」 と決めてしまうと、 できなかった日に計画が崩れてしまうことがあります。
それより、
今日できる分を進める
↓
できなかった分を翌日に調整する
↓
重要なところから優先して復習する
という柔軟な方法でも構いません。
一時的に頑張ることより、 勉強を続けられる仕組みを作ること を意識してみてください。
14.5年生から始めるなら、まずここから
「結局、今日から何をすればいい?」 という人は、まず次の3つから始めてみてください。
全部やる必要はありません。 まず自分の現在地を確認します。
「何を間違えたか」を残します。
薬、疾患、検査値、薬物治療など、 気になったものを一つ調べてみます。
これだけでも、 「国家試験の勉強を始めた」 と言える状態になります。
最初から完璧な勉強計画を作る必要はありません。
薬剤師国家試験の勉強法に、 全員に当てはまる一つの正解があるわけではありません。
ただ、私が2017年の記事を書いたときから現在まで、 変わらず重要だと思うのは、 「ただ勉強時間を積み上げるのではなく、何を終わらせるのかを決めること」 です。
そして2026年現在の勉強として考えるなら、
過去問を解く
↓
分からないところを見つける
↓
参考書で確認する
↓
もう一度問題を解く
↓
間違えたところを復習する
という流れを基本にするのがおすすめです。
5年生なら、実務実習を知識と結びつける機会として利用する。
6年生なら、問題演習の量と復習の精度を上げていく。
そして、教材を増やしすぎず、 自分が最後まで使える勉強環境を作る。
薬剤師国家試験は長い勉強になります。
だからこそ、 「今日は何時間勉強したか」だけではなく、 「今日は何ができるようになったか」 を意識してみてください。
薬剤師国家試験の最新情報、過去の試験結果、 試験問題・正答などは、厚生労働省の公式ページで確認できます。
この記事について
学習方法には個人差があり、 この記事の方法で薬剤師国家試験への合格を保証するものではありません。
試験制度、合格基準、出題基準などについては、 必ず最新の公的情報を確認してください。