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※更新日時:2020/11/17
市販の【スミスリンLシャンプータイプ】と医療用医薬品の【スミスリンローション5%】の違いって?
第2類医薬品に【スミスリンLシャンプータイプ】という商品がある。
このスミスリンについて薬剤師国家試験で問われたことがある。今回はそんな「スミスリン」と同じ名を持つ医療用医薬品の『スミスリンローション5%』について。
『スミスリン』の主成分は『フェノトリン』
スミスリンは主成分を「フェノトリン」とした駆虫剤に分類される。
この【スミスリンLシャンプータイプ】が薬剤師国家試験104回 問232-233に出題されている。
問233は衛生の分野として出題されていて構造式を問う問題であった。最近の薬剤師国家試験では構造式を問う問題を目にする機会が多くなってきたような気がする。
この問233の構造式の選択肢の中にはDDTやカルバリル等といった過去問に出題されている構造式もあるので比較的簡単な問題となっている。
なにより選択のポイントは「フェノトリン」とい名前だ。
フェノ + トリン
フェノ : フェノール
トリン : トリ → 3つ
落ち着いて考えればサービス問題なのである。
少し話が逸れたが第2類医薬品の【スミスリンLシャンプータイプ】と同様に医療用医薬品の【スミスリンローション5%】も「フェノトリン」を主成分としている。
【スミスリンLシャンプータイプ】 :フェノトリン 4mg(1mL中)
【スミスリンローション5%】 :フェノトリン 50mg(1g中)
出典:ダンヘルスケア株式会社「スミスリンLシャンプータイプ 添付文書」、クラシエ薬品株式会社「スミスリンローション5% 製品案内」
上記のように市販と医療用医薬品では濃度が異なっている。
適応症、濃度が異なる
フェノトリン濃度の差からも分かるように市販薬あるあるだが適応症が医療用医薬品とは異なる。
【スミスリンLシャンプータイプ】 :シラミの駆除
【スミスリンローション5%】 :疥癬
出典:ダンヘルスケア株式会社「スミスリンLシャンプータイプ 添付文書」、クラシエ薬品株式会社「スミスリンローション5% 製品案内」
【スミスリンLシャンプータイプ】ではシラミに限り対象となっており、【スミスリンローション5%】はヒゼンダニの寄生による疥癬治療の適応となっている。
このように適応が異なる為、濃度も使い方も違うものとなっているのである。
主成分が同じだからと言って 【スミスリンLシャンプータイプ】 = 【スミスリンローション5%】 と考えてはいけないようだ。
使い方関してはややこしいので各自で添付文書をしっかりチェックして頂きたい。
【スミスリンLシャンプータイプ】は第2類医薬品の為、ドラッグストアやインターネットでも購入が可能である。
添加物と製造販売元の違いは?
【スミスリンLシャンプータイプ】
”アルキルジメチルアミンオキシド,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール,ポリソルベート80,エデト酸ナトリウム水和物,pH調整剤及び香料”
【スミスリンローション5%】
”ミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、グリセリン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸グリセリン、ジブチルヒドロキシトルエン、パラオキシ安息香酸メチル、カルボキシビニルポリマー、水酸化ナトリウム、精製水”
【スミスリンLシャンプータイプ】 の製造販売元は大日本除虫菊株式会社。
【スミスリンローション5%】 の製造販売元はクラシエ製薬株式会社。
出典:ダンヘルスケア株式会社「スミスリンLシャンプータイプ 添付文書」、クラシエ薬品株式会社「スミスリンローション5% 製品案内」
添加物も製造販売元も異なることが分かる。